昔住んでいたアパートは戸建へと生まれ変わり、銭湯の跡地は駐車場になった。

牛丼屋やラーメン屋は姿を留めながら、軒先に物を置くようになった。

駅前には高層ビルが建ち並び、憩う風景は変わってゆく。

君と僕とは、もうそこにはいないし、ばったりと出くわすこともないのだ。

君は季節とともに君へと移り変わり、僕の目の前にはあの頃君に話したはずの別の現実がある。