芝居「五右衛門ロック」(ネタバレあり)映画「戒厳令」「嵐が丘」

 MacBookぽろりんさまのHD崩御。買い替え。在庫がApple Storeにあったために翌日には受け取ることができたが、奇特なMacユーザーのみなさまのために、注意点を。

  1. バックアップは面倒でもこまめに。すべて消えました。仕事が暇なのは不幸中の幸いだったが、特に写真と音源がイタイ。。
  2. メールはブラウザですべてチェックできるようにしておこう。おすすめはGmail。このたびそのようにしました。
  3. 使ってはスリープを繰り返さず、こまめにシステム終了を。
  4. rssリーダーのインポート/エクスポートがよくなかった可能性あり(不明)。


 原因は不明のままですが、Genius Barのにいさんもおっしゃっていたのは、とにかく負荷のかかる作業やインストール時には要注意とのことでした。でも、いろいろ入れ替えてまっさらなのは気持ちはいいです。おかえりぽろりん。


 で、打ち合わせに出たり、えびそば(ラーメン)@高田馬場、アジアやひもの屋@双方とも渋谷、食べたり、芝居観たり、映画観たりしてました。


 「五右衛門ロック劇団☆新感線@新宿コマ劇場初日、では、普段のコマのシステムを駆使して豪華絢爛。生きたまま釜の油で煮られず(釜煎りにされず)に済んだ五右衛門のその後が描かれているという物語に。「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」の辞世の句もたしか登場したような。百日鬘に大どてらのイメージや伊賀の忍者に弟子入りしたというような設定も生かされていたような。
 そこにさらになぜかルパン三世の設定が入り、ルパン=五右衛門、峰不二子=ヒロイン、五右衛門を追う銭形警部=岩倉てゆってたっけかな? ほかさまざまな人物が登場。ロック・ミュージカルを繰り広げる。
 ところが寝不足のあたしは前半戦にて途中で寝てしまい、どうしても起きられず、目を覚ますたびに歌ってたり踊ってたり戦ってたりしてそれはそれでおもしろかった。
 後半戦はトイレにも行って、いただいた中村屋のどら焼きも食べて覚醒。怒濤の展開に引き込まれる。ヒーロー戦隊もの風の見栄の切り方などもちろん盛り上がりと笑いどころも随所にちりばめられている。
 個人的にはラストの波にのまれるシーンがぐっときて、結局原住民の人たちはラリってたということかなぁなどとは考えたものの、あの王がなぜ多くの人の殺害に及んだのかが疑問には残った。
 そして、新感線の醍醐味を改めて実感した、それは、ラストの鳴り止まない拍手の嵐、スタンディングオベーション。客席のあたたかな一体感と、ステージ上の疲れもみられるものの役者のみなさまの笑顔。MVPは、松雪泰子さんに、ぜひ。


 以下は、「吉田喜重レトロスペクティブ -熱狂ポンピドゥセンターよりの帰還-」シネマヴェーラ渋谷。めずらしくこのシリーズは各回入れ替え。あと3日(金曜日まで)だが、5枚で5,000円券を購入。休憩にはにおいに誘われてポップコーンとカフェオレも1階で購入。いつのまにか持ち込み可能な飲食のショップができていたのですね。前からあったっけ?

戒厳令戒厳令 (1973)

【監督】吉田喜重
【出演】三國連太郎 / 松村康世 / 三宅康夫 / 倉野章子 / 菅野菜保之 / 飯沼慧 / 内藤武敏 / 八木昌子


★★★★★ [100点]「革命家とは」

 別役実の脚本はさすがで、名台詞がつぎつぎ。ただし、ほとんどは忘れてしまったので、1つだけ。

「革命家というのは、革命を行う者のことをいうのではない。革命に耐えうる者のことをさすのである」

というような意。

 Wilopediaには、「二・二六事件時にとられた行政措置(後述)を「戒厳令」ということもあるが、これも厳密さに欠ける。」とある。

 北一輝の『日本改造法案大綱』全文がネットで読めるようですね。政治腐敗や不況の状況を打破せんとするというのは現代とも重なる部分があり、資本主義の歴史において長らく立ち現れては消えてゆくのが革命であったのだろう。だが、北一輝青年将校らの信じた解決策は複雑なものであったように現代に生きる私には思える。

 いずれにせよ、三国連太郎の怪演への賞賛もこめて100点を。


Posted by lotus.eater on 2008/07/10 with 映画生活
嵐が丘嵐が丘 (1988)

【監督】吉田喜重
【出演】松田優作 / 田中裕子 / 三國連太郎 / 田中好子 / 岡田茉莉子 / 石田えり / 萩原流行 / 村瀬幸子 / 名高達郎


★★★★☆ [90点]「実験演劇的な独特の魅力」

 「エミリ・ブロンテの名作の舞台を中世日本に」というこの作品。私はたしか原作を読み、映画も観ているのだが、大枠は同様だが、まったく別の作品としても楽しめる。

 特に後半には、たぶん踊り念仏風のシーンで田中泯らの舞踏が使われているようであったり、演劇的/倒錯的な情景や芝居が繰り広げられるなど、ATG作品ではないけれど実験的要素が随所にちりばめられており、独特の世界観が堪能できる。

 松田優作の目元や全身の「表情」、田中裕子のなんともいえない色気など、見所満載。


Posted by lotus.eater on 2008/07/10 with 映画生活