林芙美子につづきを捧ぐ

林芙美子につづきを捧ぐ
林芙美子につづきを捧ぐ posted by (C)lotus.eater


ラピュタにて

浮雲

1955年(S30)/東宝/白黒/123分

■監督:成瀬巳喜男/脚本:水木洋子/原作:林芙美子/撮影:玉井正夫/美術:中古智 ■出演:高峰秀子森雅之岡田茉莉子中北千枝子山形勲加東大介

戦時中、赴任先の仏印で愛人関係にあったゆき子と富岡。引き揚げた二人は再会し、ずるずると関係を続けてしまう。愛欲の赴くままに、流され堕ちていく男女の姿を深々と描いた珠玉の名篇。伊香保の石段のセット等美術もみごと。

ネタバレあり
 伊香保の石段がセットであったとは! 私はひたすら身につまされながら、この映画をみつづけた。
 富岡は「誰でもいい」からいやだ。でも、ゆき子はあんなにひどい男をひたすら愛しつづける。これはもう理屈じゃない。彼女にとって最愛の彼に会いつづけ、最期を看取ってもらえたことは、なんとか生き延びるに精一杯であった戦後の人生を鑑みても、「幸福」と呼べるのではないかと考えた。
 「苦しきことのみ多」かれど、1人の男を愛し抜いた彼女は幸せ者だと思うんである。誰も愛せず、誰にも期待せずに生きていけば心の平和は保たれるが、それではあまりに悲しいではないか。深く愛し合えるのが最高の幸福だという声も聞こえてきそうだが、んなもんは幻想、己と相手への瞞し合いなわけであるからなんてことを言い出すのはよろしくないので今夜こそここでやめておく。
 林芙美子の詩がぶっ飛んでいて好きなのだが、ゆき子の台詞が身震いするほど適確な辛辣さを放っていてすばらしかったので、今から『日本の文学 47 林芙美子』でも読もうと思う。BGMは
Billy Wooten『Betcha By Golly, Wow』

ロスト・テープス

ロスト・テープス

どうもありがとうございました! ヴァイブラフォン、美しい! 特に「You Are Everything」のカバーは胸が締めつけられますね。




とりあえずスケジューリングのためのmemo
8/1(水) 新宿PIT-INN 渋さ知らズ
8/3(金) 新宿PIT-INN 大友良英g NEW JAZZ ORCHESTRA(カヒミ・カリィvo、津上研太ss&as、アクセル・ドゥナーtp、SACHIKO M:sinewaves、高良久美子vib、水谷浩章b、芳垣安洋ds)
大泉学園 in F POT HEADS
吉祥寺MANDALA-2 AREPOS、シャバヒゲ
8/4(土) 新宿PIT-INN アクセル・ドゥナーtp+SACHIKO M:sinewaves+大蔵雅彦as&etc、大友良英g NEW JAZZ QUITET(津上研太ss&as、アクセル・ドゥナーtp、水谷浩章b、芳垣安洋ds) ※昼の部
新宿PIT-INN 大友良英g NEW JAZZ ORCHESTRA(カヒミ・カリィvo、津上研太ss&as、アクセル・ドゥナーtp、大蔵雅彦as&etc、青木タイセイtb、石川高:笙、SACHIKO M:sinewaves、宇波拓computer、高良久美子vib、水谷浩章b、芳垣安洋ds)
8/6(月) 新宿PIT-INN 青木タイセイtb ☆☆☆○三星月一≫