『グレート・ギャツビー』村上訳と、ある物語(記憶の中の)
- 作者: スコットフィッツジェラルド,Francis Scott Fitzgerald,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 23人 クリック: 170回
- この商品を含むブログ (482件) を見る
本日はスタジオをはしごして、計4時間バンド練習。音楽のすばらしいところは、やったらやっただけ応えてくれるところ特定のところまでは。その他、日々是修業で問題山積なのはいうまでもありませんが。
先日、不意に思い出した話。
あたしの知り合いでウェイターの男性が、ある日ホテルに併設されたレストランで働いていた日の出来事。高齢の女性が一人で訪れた。多少高級志向のこの店で、彼女はコース料理を2名分、さらにはワインのボトルにグラスを2つオーダーする。そしておもむろに、向かいの席に亡き夫と思われる男性の写真を置いた。彼女は楽しそうに夫の写真に話しかけながら、食事をしていた。もちろん2人前を平らげることができるはずはなく、夫の分にはほとんど箸つかフォークやナイフをつけることはなかった。
食事を楽しんでいた女性だったが、突然泣き出した。それも、ぽろぽろというようなかわいらしいものではなく、号泣。声をわんわん上げて泣きつづけたんである。そして、ワインをがぶがぶと飲みほす。
閉店時間になっても彼女は飲むのと泣くのがやむ様子はなかったが、店員の方々に促されて会計をどうにか済ませた。だが、腰からへなへなとくずおれ、まったく立てなくなった。明らかに飲みすぎなのだ。仕方なく、ホテルから車いすを借りて女性をそこに乗せ、彼はタクシーまで運んだという。。
いかがですか? いい話だと思いません? あたしは人生の、この楽しくって哀しくって、どこか滑稽な側面を愛します。