2006-06-02-fri江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者

初夏を思わせる鮮やかな紅い花

@ラピュタ阿佐ヶ谷
__________________________
江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者
1976年/日活/カラー/76分
■原作:江戸川乱歩/脚本:いどあきお/撮影:森勝/美術:菊川芳江/音楽:蓼科二郎 ■出演:宮下順子石橋蓮司、渡辺とく子、夢村四郎、中島葵、長弘、織田俊彦
天井の節穴から男女の秘事を覗く性癖を持つ主人公を狂言回しに、大正末期の浅草のデカダンスな気分を横溢させた佳品。パラソルを持つ好色な貴婦人、ピエロ、小人、花屋敷と乱歩好みの畸形趣味がスケッチされ、カラフルな白昼夢のようだ。
__________________________
を観た。突っ込みどころは満載だが(奥さまが喘ぎながら「ピエロ。。」と呼ぶところとか、カンタンに人が死んでいってしまうところとか例えば奥さまの脚で首を絞めるパターンで)、出演の石橋蓮司さんの名において許す。まったく濡れませんが、濡れ場(?)満載です。最後列をどっかと陣取って観てました。例の大地震で終わるわけで、それはないだろと、だからこそ、震災は免れない恐るべきものなのだと、だからこそ、どう生きたっていいのだと、思うわけなんであった。デカダンスな気分、そうねぇ、懐古趣味は感じましたよ、あたしと一緒ですね、監督。

__________________________
米原万里さんの本は、最初の『不実な美女か貞淑な醜女か?』が出た頃、私の周
囲ではみんな読んでいました。面白いです。笑う面白さもあるし、それ以外の面
白さもあります。うまいです。そのあとはどうしてか読んでいないのですが(た
ぶん、話題の人になってしまったからでしょう)、新刊には注目していました。
それにしても、ガンのために才能の発揮を中断させられる人の多いことは、まっ
たく腹立たしい限りです。

今村昌平は、最近の映画は観ていませんが、「豚と軍艦」、「神々の深き欲望」、
復讐するは我にあり」、「黒い雨」なんかを観ました。開高健とつながる雰囲
気を感じています。シネマヴェーララピュタで特集をやってくれるでしょう。
楢山節考」、「ええじゃないか」をずっと観たいと思っています。

「屋根裏の散歩者」、私も観ましたが、田中登ではなく、実相寺昭雄監督のでし
た。田中監督作品も、公開当時何本か観ています。実相寺監督の作品は「ウルト
ラセブン」「怪奇大作戦」をいつの間にか観ていて、ATGの映画もいろいろ観た
ものです。一昨年くらいに文芸坐で「D坂の殺人事件」をやってくれて、ようや
く観ることができたことを、今でもうれしくありがたく思い出します。
__________________________

なんて感想もいただいております(掲載確認済み)。私もそういえば「黒い雨」も観てますね。
車谷長吉さんの以下のなかの「私の小説論」のなかで、「明治以来、実におびただしい数の小説が書かれて来たけれども、私は『楢山節考』が最高傑作だと思うております。」とおっしゃってます。まずは読まねばね。