『聖耳』古井由吉

聖耳

聖耳

「夜明けまで」
「晴れた眼」
「白い糸杉」
「犬の道」
「朝の客」
「日や月や」
「苺」
「初時雨」まで読んだ
「初時雨」より
痒みは「生命力のいよいよ回復して来る、一陽来復の兆しではあるな。身体が笑い始めたような。生命にはもともとそんな、滑稽なところがある。」
「俺の存在はまるで拡散してしまってありかも知れない、それなのに、待つ心はそこに、こことはいえないが、刻々、ある。(中略)誰かがぱたりぱたりと手洗いに通う。(後略)」
「そのうちに、これはむしろ、正気づくことを恐れているのではないか、と疑い出した。一瞬の内に悟る。とうに悟っていたということを悟る。」
残りは
「年末」
「火の手」
「知らぬ唄」
「聖耳」