PROMISES

プロミス [DVD]

プロミス [DVD]

 とりあえず、返却前に記しておく。
 イスラエルパレスチナの7人の子どもたち。今まで、日本に育ったあたしの想像を絶する根深い問題であると思ってはいたけれど、よくわからなかったし、実感できなかった。だけど、生きるか死ぬかの問題を長い長い歴史のなかで突きつけられつづけてきた人々の子どたちは、驚くべき強い主張をもっている。彼らが互いに「会う」。
 何かを理解したいと思うとき、結局誰かの声を聴くことが有効であることがよくある。ニュースでは見えないところが見えた。特典もわかりやすかったし、監督へのインタビューもよかった。
 この映画を観終えた時点で、こころのベスト5位にしたいと感じた。ひとつには、教育、ということを思って観ていた。子どもたちに植えつけられた考え、これは何なのだろう。この映画の監督は3人だが、特に出演者でもあるB.Z.ゴールドバーグ(最初は出演を拒んでいたが、案内役を必要とする映画だったのだ)の子どもへの歩み寄り方、これはすばらしい教育だと思った。何の仕事をしているときでも○○とは何ぞやと考えがちなあたしは教員をしているときに教育とは互いが愛しあうために必要なものであると考えたものだ。この映画のいちばんすばらしいところは、問題を解決するために、理解しあうために必要なものは何であるのかを監督や子どもたちが教えてくれるところにあるような気がする。でも、現実は、問題は、根深い。それでもなお、誰もが自分・個人の問題として考え、子どもたちはスタンスを、身の振り方を考える。
 先日、民事訴訟法に関する取材をした。そのときにも、悲観的になりすぎることはない、というようなことをいわれた。何でもかんでも自分が中心に行ってどうにかするなんてことはできないし、できるとももちろん思ってないけど、何かを動かしたいと思ったら、まずは自分の心が変わることには意味がある、少なくともなくはないと信じる。祈ったり情報収集をしたり、とにかく「B.Z.が経験してきたことは、人々が率直かつ正直に、また特定の結果に対して先入観をもたずに話し合える場をもつことと、『客観的』に正義の道を探ることよりももっと切実に(紛争に対する)意識と好奇心をもつことの2つが紛争解決のためには不可欠だということを証明するものである」という特典のフレーズにすべてがある。
 こみあげた気持ちが涙になってこぼれてしまう終わり近くのワンシーン、ぜひ、ご覧いただければ。興奮ぎみなうえの知識不足により、わかりづらくてすみません。
 ほかの方のリンク先を読んだら、このような。もちろんいずれかいっぽうの味方とかではまったくなく。ちなみに監督は、誰もが考えるように、イスラエル軍の撤退が和平への道といっていた。
STOP the WALLキャンペーン
http://palestine-heiwa.org/wall/stop/