赤ク細イ月ガ 丸ミヲ帯ビユク日々

moons11dec2004-05-26


人類は 果てなく繁殖したものたちを
絶滅に追いやるために 誕生したのだとしたら

この指の水ぶくれが ウォーターベッドなら

帰宅時 最寄りの駅前に 救急車
改札を抜けると 大勢の救急隊員
床をタオルで拭う
覗き込んだら 体も頭も
ぐるぐる巻きの老人がひとり
頭の包帯には血が滲み
見る限り 意識不明のまま運ばれてゆくドナドナ
その痕に 水を撒く駅員

葉っぱの裏 光ゆらゆら 鴨の水浴び
昼休み 捻挫のシグナル

少しずつずれた キィ
それは 生傷の絶えない日々
ガーゼだけ貼り付いて残った中指に
何者かへの恨みがあるでなし
温くなった湿布は 吾が体温でなし