盗まれた欲情

というタイトルから連想される内容からは隔たりがある気はしたが(否、思いが完全には遂げられず、変形したからだろうか。。「盗まれた浴場」?という銭湯の斜陽物語はつくれそうである)、請求書を発行して企画書をまとめ、東京国立近代美術館フィルムセンターへ。
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「テント劇場」より 盗まれた欲情
(92分・35mm・白黒)

日活アクションの興隆期に登場した“異色”の監督・今村昌平のデビュー作。劇作に燃えるインテリ青年(長門)が、猥雑な大阪の旅回り一座と行動を共にし、将来や恋愛に悩む「若さとエネルギーに満ちた田園の喜劇」(今村)。本作に対し「マトモな人間も書け」という周囲の声に、今村は「一生ウジ虫ばかり書く」ことを固く決意したという。

’58(日活)(原)今東光(脚)鈴木敏郎山内久)(撮)郄村倉太郎(美)中村公彦(音)黛敏郎(出)長門裕之、香月美奈子、南田洋子滝沢修西村晃、郄原駿雄、小笠原章二郎、小沢昭一、柳沢真一、喜多道枝菅井きん、三好久子、武智豊子、井東柳晴、河上信夫、仲谷昇、峰三平
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というわけで、「一生ウジ虫ばかり書く」に惹きつけられて行ってまいりました。ここは遅刻すると入れてもらえないようなので、みなさまご注意を。あたしはいつも3分前駆け込みです。
 もう、世界中のジプシー的、放浪者的、遊牧的人生、つまりは定住しない生活に強く惹かれる。日本のジプシーは旅芸人ですよね。これを現代に蘇らせるために、バンドと企画会議と旅と遊びとを重ねて準備しているんであるなんちて。登場人物のほとんどが無茶苦茶で破天荒で、でも快活で、このエネルギーがすべてを救っていくような気がします。
 そのいっぽうで、座長は常に適切に動かんとする。そして、旦那が妻にあっさりと選択権をゆだね、自分が一座からも身を引こうとする。その際に妻は旦那を選ぶ。うぅむ、真理。若かりし長門裕之は、さらに桑田圭祐に似ている。芝居が好きでたまらない仲間を愛し、一生懸命稽古をし、自分の新たな脚本・演出の芝居を演じてほしいと願う情熱には打たれる。
 テントバンド、てのはどうだろう?
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その後、明日もラーメン予定だというのにラーメンを食べてしまった。銀座の梟(ふくろう)という店。こがしとんこつ太麺でオーダー。やはり最近は、味が濃すぎない魚だしメインのラーメンがいちばん好っきやねん。で、今日もNewYorker's cafeでお仕事して帰宅。明日は、打ち合わせとラーメンと純喫茶と楢山節考と仕事作業とホットフラの予定。うぅむ、お腹いぱい♪


占い師(による)殺人事件


「あの 手相の勉強してるんですけど」
と 2人の女性に追われ
「急いでますんで」
と いっても引き下がってくれず
「終電が」
と 加えても2〜3分とつづけてきた


声をかけるまでは恨まないが
断ってもしつこく食い下がるのは
失礼ではないか とか
壺なんか買わねぇぞ とか
学生の頃にこれで「もっと偉い先生を紹介する」
と 危うく連れ込まれそうになったなぁ とか
「勉強してるのがそっちなら
 協力すれば金くれんの?」と
いえば黙るだろうか とか考えながら
赤信号の大通りを渡って逃げたら
車に轢き殺された


生きる手助けをするのが占いではないんだろうか
それとも 死を防ごうとしてくれていたのか
と 考えながら
僕は 高く 高く 昇っていった


 ピーター・ニューエルは、内容を十二分に理解してから絵を描いた。ユーモア感覚をもち、「成功しようとするのなら、いずれはその人の個性が作品に出てこなくてはならない」「どこかからやってくる霊感などというものを待ってただぼんやりしているこの種の人間は、要するにただの怠け者なのだ。恰好つけるのもいい加減にしろと言いたい」と口にしていた。また、多忙ななか自分の子どもとよく遊び、町にさまざまな形で貢献した。そんななかで『ひっくり返り本』『影芝居』『穴本』『ロケット本』『斜め本』などの野心的な物作りを重ねたそうである。
 頭と感覚をフルに用いた、徹底的に独創的な物作り。そういえば今日の「ごきげんよう(だっけ?)」で、山田太一は葉がもの悲しく舞い散るまで撮り直したとか、黒澤明の『天国と地獄』では民家の二階を壊して撮影し、後に造り直したとか、そんな話があった。限られた条件を口実にこだわりをもちつづけられない物作りに陥りがちな自らを省みて、大事な時には出し惜しみすることなくというのはもちろん、自分を絞って絞ってやらんとあかんこともあるよなぁとおもおた次第。
 昨夜は政治及び平和及び環境ネタで盛り上がっていたんであるが、とりあえず考えることをさぼらないように、と改めて決意する今日この頃。
 では、おやすみなさい。今宵また、めくるめく文字の海の隅っこで。