感性考

 先日、感性についてえっちゃんと語り、この話題は私の周囲に繰り返し表れては消えるものなんであった。あたしはいつも技術だとか知識だとかを重視することを軽視しすぎる傾向にある(これは、単純に軽視しているつもりはないのだが、ここを重視することに共感できない主義だということである)。
 で、今日、中村稔さんが、中原中也小林秀雄、そして長谷川泰子(カンタンにゆうなれば両者の女)との関係を挟みつつ論じた文章を読み。「魂」派・芸術圏 「機敏」派・対人圏ないし生活圏 とゆうのを読んでいて、芸術周辺を論じようとするだに浮かび上がる永遠の命題とかゆうと大仰やもしれんが、まあそういったテーマなんだろうと思おた。
 そして夜、『博士の愛した数式』をテレビで観ており、「(具体的に生活に役立つものでなかろうとも)真実を求めるのが数学の目的」「心の目でみる」とゆうやうなことを寺尾聡博士がおっしゃっており、合点がいった気がした。つまりは、「心の目」でみたいと思う「真実」、それは例えば美しい「魂」のありようであるからだ。そこで技術や知識とゆうものは、あたまやこころんなかのめにみえない、かたちになっていないものをなんらかのかたちにしたいとおもうときに必要となってくるものなんであって、技術や知識ありきというものを好みたい気持ちにはならない。また、本人自らかたちにせずにはおれない、やむにやまれぬところでうみだしてしまわざるをえない感じにやはりひかれてしまうのだ。本人が誰よりもそれを享受する。それが周囲をうごかす。また、本人の魅力なしの芸術なんてありえないと思うことこそが、好み(好き嫌い)の問題と考えるゆえん。そのため、ある程度のファンになると、もう何を出されても愛する感じにはなるが、まあ好みの順位とかはあります。なので、ほかの否定はあまりしたくないが、好みの問題を含めて感想を。
 そんなことを考えつつ、最近観たものを振り返る。


キース・ジャレット Keith Jarrettトリオ@新宿厚生年金会館
1st set
1. Bye Bye Blackbird
2. Smoke Gets In Your Eyes
3. Conception
4. Django
5. Someday My Prince Will Come
6. Straight, No Chaser
2nd set
1. You Go To My Head
2. You Belong To Me
3. One For Majid
4. My Funny Valentine
encores
1. Poinciana
2. I Thought About You
 特にMy Funny Valentineは、生まれてこの方聴いた中で最も美しい音楽であった。前の話を引けば、それはもうキャリアもこの上なく、技術がなければ存分に美しい音楽で酔わせてくれることなどできない。「メロディーの美しさもさることながら、中腰の姿勢で、時折うめき声を出しながらピアノを弾く姿が印象的。」とウィキに書かれており、この至上の音楽に誰もが感動させられる際に、本人の魅力を感じずにはいられないだろうと思う。会場にてCDこれを含む2種購入。

カーネギー・ホール・コンサート

カーネギー・ホール・コンサート



「昭和ブギウギ 1945-64」展、以下@川崎市市民ミュージアム
http://www.kawasaki-museum.jp/
 昭和の知る面については懐古、知らぬ面については今の時代にない無我夢中な感じの力に惹かれる。
『殿さま弥次喜多
見所満載のエンターテインメント。こうした作品は「「機敏」派・対人圏ないし生活圏」の割合が高いと思い、好みの映画ベスト10を塗り替えたりはしないが、笑っていやなことをとりあえず忘れたりすることも生きているなかでは必要なのだと考える。

殿さま弥次喜多 捕物道中 [VHS]

殿さま弥次喜多 捕物道中 [VHS]

■韓国現代マンガ展
タイでも実感したが、日本の文化、マンガとアニメはすごい! おっくんのマンガのほうがおもしろい。
■オフ・ストライプス:縞模様の繊細なる瞬き
ぐるぐるまわった。
博物館展示室
おいらはミニチュアの町並みとかがなぜか大好きなんである。ちまっとしてるのにリアルな感じが。


追悼特集 映画監督 今村昌平黒木和雄
『赤い殺意』(1964年)今村昌平監督を観た。観るものを間違えて観たのだが、好ましい映像作品で、意外な展開。自分のなかにもたくましさを探した。今後、殿山泰司出演作品はすべて観ようかとも考えたがあまりにもたくさんある。技術が時代に沿って発展していく映像の世界だが、あたしは最近、60〜70年代あたりの日本映画ばかり観ている。

赤い殺意 [VHS]

赤い殺意 [VHS]



グレゴリー・コルベールAshes and Snow』の永久に移動する拠点であるノマディック美術館
この世とあの世のはざまの世界に、人と動物が横たわる。舞踏とスピリチュアルな静の美。個人的には、タナトスを感じる水面に浮かぶ髪より、ノアの箱船の連想より、エロスを感じる人と動物の交流等のほうが好みではあった。静と動とはコントラスト強めのほうが好み。周囲に誰もいなかったら、もっと異空間になっていてよいのだろうなぁ。


本橋成一「写真と映画と」
『炭鉱〈ヤマ〉』が最も好みではある。並ぶ遺影に鳥肌が立つ。最近、人がもつテーマが気になっているのだが、今夜の石原慎太郎氏のインタビューを観ても、この展示の説明を読んでも、きっかけは誰かからの発注であったりすることが多いのだなあと思う。「お役目」という言葉が浮かぶ。

ナージャの村 [DVD]

ナージャの村 [DVD]

アレクセイと泉 [DVD]

アレクセイと泉 [DVD]

たぶんご本人がいらっしゃっていて、すてきな雰囲気、つか正直に申し上げるならば、好みの雰囲気の方であった(ちょっとウキウキしていらっしゃる感じもしたが、声をかける勇気はなかった)。


おお!明日はホットヨガスティールパンのレッスンの予約を入れておった!! みなさまは「魂」と「機敏」とを何対何で重視しますか? おらは9対1くらいかにゃあ。。表現しつくすために、真実に近づくために必要となってくるものを身につけることは大事だと思うんだけどね。。