Vincent Atmicus @新ピ

moons11dec2004-12-10

昼が中華だったこと以外 これといった印象も記憶もない 水曜日
ただ 今日もすばらしいに相違ない彼らにあうためだけの 木曜日
伊勢丹前の黒い椅子に凭れて フリーペーパーの絵本特集を眺めていた
道すがら 苺大福を頬張って春気分 来年の手帳を手にする
ずっしりと重い 一年が待ってる
煙草を買ってチケットを受け取り 呼ばれるのをじっと待つ
熱い珈琲を貰い ソーサーさえも邪魔に思えて
壁際の最前列 浮き足立って 身支度も覚束ない 煙草で深呼吸すぅはぁ
大人しく観ていることなんてできない
火花を散らすバイオリンとバイオリンに
柱の影で見えない横笛と鍵盤の声に
修行僧の心根を思わせるトロンボーン
あまりに自由に かつ真剣に遊ぶパーカッションと
酔って 酔わせて また酔うドラミングとの骨肉のタッグに
そして弓でヴィブラフォンを響かせられたら。
chaosからgrooveへと突き進みながら
静と動とを行ったり来たりしながら
見たことがないけれど懐かしい あらぬ風景を見る
彼の冷たい目が好きだ 音に入り込んで他を顧みない
宙を睨むほど凝視して
彼の目を閉じた姿が好きだ 音に入り込んで深く酔いしれて
背後の(実は愛妻の)音に振り返り 満足げに正面へと顔を戻す
そんな仕草の一部始終を好ましく思う
戦友の様子を丁寧に拾い上げて茶化すその言葉も。
そして金曜日
嵐山光三郎のとある一冊を 最後まで尋ねずに探し回り
林芙美子の言葉に大層惹かれながらも結局は
丼弁当だけを手にして玄関を開けた
朝読んでいた続きの とある日記を読む
「言語と心が交わるとき、それは常に美しい。」
この言葉だけが あたしの今日を 終わらせてくれるだろう
他愛ないけれど汚れたブルーを どうかしてくれるのだろう