春雨食べて 早幾年

moons11dec2004-11-13

鴎でさえ 抗うのだから
此の世にないものを 探し求めるなど
宙吊りで 盲目で じっと石のように
誰もがきっと 立ち去るだろう

記憶の中の 軽い口約束が
夢うつつに浮かぶ
顔が上げられないのだ
グラスを手にしては

傘を差して待てば 暗がりで待てば
足音が響く闇の中 僕は君の腕を取るだろう
何気ない店を出て 身動きなんてできる筈もないだろう

「ああ、甘い香りがする」
首筋に 雨粒 一滴
乾いた口唇 頬を撫でる風 季節はまだ
やわらかな小動物 ほんのちっぽけな隙間にスイッチを

(中略)

一時間後に あの店で

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 写真は昨日盗った否、撮ったもので、赤坂で打ち合わせを終えて銀行と郵便局を探して彷徨っていたら、日枝神社に出たのでした。エスカレーター全面開通!とか出ていて、ひとけのあまりないところをひたすらエスカレーターを稼働させては乗って、上へ上へと進みました。そこで、あの何だっけ名前失念和食のそうだ築地植むらだっけ?の茶店があったので、入ってみました。餓えてパラパラとメニューをめくると、ざる蕎麦と天丼のセットが通常1,050円がエスカレーター開通記念で840円!天丼にはきちんと海老2匹に南瓜や獅子唐ものっており、途中から店は貸し切り状態で、ご満悦。お詣りをして裏の階段を下りると、竹の枝を両手に持った兄さんが階段を駆け上がっています。楽しそうに。そして裏手の坂の所にある営業していなかった茶店の写真を携帯で撮り、御神木も撮り、Waveでボサノヴァを試聴して書店を巡って帰宅したのでした。
 今日は、ずっと前日日記参照の日記を読んで布団にはいるのが遅くなり、変な夢を見ていて、起きたら14:30でした!でも、茄子と葱を炒めながら味噌で和えた物を作って食し、部屋の掃除をしてシャワーを浴び、近所に食材を買いに出て帰宅後に気にかかっていた書籍と広告のたたき台の企画書を作り、満足。常に風を起こすことに気付いたこと、掃除をすること、セントジョンズワートのマッサージオイルを何故か部屋で焚いてみたことなどが勝因と思われます。

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 他にも今日こそここにまとめようと思っていたことは色々ありますが、とりあえず昨日あの日記を読む前に書こうと思っていたことを書こうと思っていたけどやめて、明日書庫に戻す本のうちの1冊『雪』に所収の松下竜一の「雪乞いの町」という随筆があまりに美しかったので、その影響で地下鉄の最後尾から線路が遠のくのを眺めたりしていたことを。この町には、雪を求めた夫に先立たれた老婆が、毎年雪を仏壇にあげていた話が根底にあって、でも雪の降らない年に筆者の妻がかき氷機でかき氷を作って雪の代わりにあげるのですが、その時に見つけだされた綿菓子製造機を持ち帰り、綿菓子を作るのです。子供がせがんで作りすぎたので近所にも分けてあげに行き。そしてさらに作った綿菓子を部屋に吊って、翌朝どれだけ縮んだかを楽しみに待つのです。深夜、「世の詩人は、みんなこのような魔法のわた菓子製造機みたいなものを、ひそかに隠し持っているのではないか」と、筆者は綿菓子製造器に言葉をささやきこんでスイッチを入れるのです。

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 まあ、いいや。目が痛い。腹筋背筋腕立てをして(?!)本を読んで寝ます。雪、土砂降り、とかって、良い思い出が多くありませんか? 嗚呼、哀しい思い出もあったな。。