「時計じかけのオレンジ」TSUTAYA阿佐ヶ谷で100円レンタルでした。。

時計じかけのオレンジ時計じかけのオレンジ (1971)

【監督】
【出演】マルコム・マクダウェル / パトリック・マギー / ウォーレン・クラーク


★★★★ [80点]「選択の自由や思考を奪われるのはイヤ。」

時計じかけのオレンジ」を初めて知ったのは、実は小学生か中学生時代に渡辺美里の「時計じかけのオレンジより君を理解するのは難しいこと」という歌詞によるものだが、曲名を失念。そこから25年(!)ほどの時を経て、ようやく観た。難解とは思わなかったが、たしかに細部をつきつめきれてはいない。

デストピアをテーマとして描かれているともいわれているようだが、それについては納得。わたしはずっと「人間」とは、「生きる」とは何であるかを考えていた。

牧師の台詞などでたしか、選択の自由を奪われればそれは人間ではないというようなものがあったように思う。それはそのとおりであると思う。また、個人的にもずっと、善悪、悪に対する処罰などというのは揺れ動くものであって、絶対のものであるとはほんの部分においてさえもいいきれないものとしか思えない。

ラストシーンはラストシーンで、【中略】という感じになっている。少なくともわたしは、選択の自由を奪われたり思考を奪われるより、存分に意識をしたうえで過ちだとかよからぬものに荷担したり他人に利用されたりするほうがマシだと考える。





ちょうど最近読んでいる『ローリング・サンダー』のなかの台詞が、真実というもの、ほんとうのことというものがあるとするなら、それに近いものではないかとわたしには思われる、というところで引用して閉じたい。人は、歴史は、さまざまな価値観だとかイデオロギーだとかの間を振り子のように揺れ、行きつ戻りつしているとわたしは思う。「われわれは彼らのクラブを好まないし、そんなものに入りたいとも思わない。本当にそれが良いクラブであるとすれば決して入会を強制したりはしないものだし、われわれのクラブのことだって、そのままに放っておいてくれるはずだ。いわんや他の国に住んでいる人たちのやり方にいちいち口や手をはさんだりはしないだろう。誰にでも自分のクラブというものがある。そしてそれがかりに悪いクラブだとしても、やりたい奴にはとりあえずやらせておくしかない。人間はそうやって自分の生きる道を学ぶものだからだ。しかし言っておくが、良いシステムが自らを拡大しようと試みることなどありえない。なるほど人々の力になることは悪いことではないが、システムを拡げようとすることは間違っている」


Posted by moons11dec on 2010/02/12 with ぴあ映画生活