06-01-fri「御所桜堀川夜討 〜弁慶上使の段」ぎだゆう座@お江戸上野広小路亭

 静岡より上京のニンニンが泊まりにくるのにあわせ、えっちゃんも呼んで合流。上野に寄席があったのではないかということで、広小路亭へ。ほどよい広さというか狭さが心地いい。個人的には運良く、興味のあった女流義太夫
 義太夫浄瑠璃江戸前期の道頓堀に竹本座が開かれ、近松門左衛門の戯曲による人形浄瑠璃を上演したことにはじまるのだとか。それ以前の古浄瑠璃よりも、感情をさらに豊かに表現することを目指したのがこの義太夫節で、近世はじめに琉球から伝来した三線が三味線に改良されて伴奏楽器となったのです。ほかにも新浄瑠璃がいくつかあるそうです。江戸で女性がかたる娘義太夫・女義太夫が大流行。明治時代にはサワリにさしかかって「待ってました!」という雰囲気のなか、「どうするどうする」と観客席から声がかかるのが大流行し、「どうする連」という追っかけが現れたのです(参考・永谷お江戸にゅーす、その他Web)。
 まずは冒頭に解説。弁慶について、今回のストーリーについて、三味線の聴き所についてなど、初心者には大変助かるうえ、この解説が非常におもしろかった。人形はなし(素浄瑠璃)。
 浄瑠璃は書物をめくりながら、声をはって読まれていく。資料からしばし目を離していても、そう簡単に1行さえ進まない。三味線には独特のなまりがあり、不協和音があり、音響がすばらしく、ときどきうなる。あたしは弁慶登場の場面から、三味線に心を奪われていた。
 サワリとは要点のことで、女性が心を吐露し、名人芸を堪能できる人気の場面。すると、浄瑠璃も三味線も追いつ追われつ?盛り上がってゆく。
 最後に客席から「大当たり」の声。確かに没頭させられた(途中寝ている人もいましたが、声と音とで耳が気持ちよくなるので、それも理解できます)。
 その後、浅草に出、あたしの好きなつくしでお好み焼き。