ブラッド・メルドー

BRAD MEHLDAU
Piano Solo Concert@すみだトリフォニーホール
2005/02/20(sun)4:30pm開場　5:00pm開演
S席R2扉1階13列38番
すべての音に悲しみが含まれている
この人の音は、自分を理解してくれるような気がする
だから、泣いてしまうんだろう。

脳病院へまゐります。 (文春文庫)

「此の世にどうして藝術（旧字）といふものが生まれたかは、生まれ持つて強（旧）く大きく過（旧）敏（旧）に感受する氣性の人が、湧き上がりトグロを卷く感情（旧）の種を自分の内（旧）側に閉ぢ込（旧）めて置けず宥め切れず体（旧）の外に出さずにはゐられないから、さういふ自分自身を救ひたくつて形有るものをこさへる、呻き乍、吠え乍、苦しみ乍、自分を救ふ代りに種を吐き出す、芽が出てすくすく育つて咲（旧）いた其のモノが藝術（旧）、命の宿る花を観て厭な氣分になる者藝術（旧字）はゐない、だから一度は造（旧）り手といふ誰か一人を救つたものは結果として、読（旧）む者（旧）、観（旧）る者（旧）、聴（旧）く者（旧）を救ふのだらうと私はナントナク思つたものだつた。」
「『貴方にとつて怖いことはまう何ひとつないだらう、貴方は何も変（旧）はることはないはずだ、僕はさう信じてゐる』とおつしゃつた貴方様（旧）の洞察は正解で御座います。」
「『其れは違（旧）ふ、人と向き合ふからには眞っ直ぐに對峙して丸裸の相手の核心部分を見て欲しい』と何時も心の内（旧）では強（旧）く反論してゐたが（後略）」
「『谷崎さんは僕ひとりのものであつて貴方などには理解出来（旧）ようはずがない』とか『谷崎さんを眞に理解出来（旧）る読（旧）者（旧）は此の日本に於いて唯一僕だけだ』と豪語した。」
（旧字疲れ？のため、つづく。）