『行方知れズ 渋さ知らズ1999-2000』(土日レイトショー)

moons11dec2005-03-06

日記飛んでますけど、とりあえずどうしても今日だけは。
ずっと予定に入れていた『行方知れズ 渋さ知らズ1999-2000』。
(蛇足の導入+ネタバレあり?)


この週末は仕事で潰す覚悟もしきれぬまま
寒さを口実にロフトで読書をしては昼寝して
温まって起きて何か口にしては(主にラーメン)仕事してを繰り返していたら
オヤビから映画のお誘いがあったので馬に人参で片づけたら
誘った本人が散歩したりして仕事が終わらないとおっしゃるので
ぢゃああたしは何が観たいだろうと調べてアレコレ惹かれましたが
アップリンクへ行くことに。渋さが満員だったら
『脱皮ワイフ』(タイトルだけでオチてます。)
早速何人かにメールを送ると
「六本木でオペラ座の怪人観て、今渋谷なんだよね」と
いつもあたしの約束に応じるために待機しているkb氏。
とりあえず支度して渋谷に向かいます。
書店でrelaxの楽器特集のうち、エアギターにヤラレます。



アップリンクへと向かいます。東急本店を左手に見て、
つまり東急の右側の道を、進むこと200m、ちんまりしたビルの一室です。
ひとまず腹を満たそうと、韓国料理屋へ。大変賑わっています。
カルビと野菜チヂミとさんげたんですっかり満腹になりすぎました。



アップリンクXはおもしろいつくりで、いろんなソファや椅子があって
どうやら購入も可能なのかしらん? あたしはたったひとつの
寝っ転がれるソファでたらたらとだらしなく見ます(写真参照)。
仰向けで頭の後ろに手を置いたりして。
観たのは↓
http://www.uplink.co.jp/x/log/000154.html



1999-2000なので、あたしが見出す直前だと思うのですが
何となく最後のほうに見覚えのあるものもあったような気がしました。
渋さのあたたかさや熱の素はやっぱり不破さんの人間エネルギーで
渋さや不破さんの一番の理解者であり(私見)、
これほど胸を打つサックス奏者はいないというのが片山さんで
佐々木彩子さんのチーム結成に至る背景もあたたかく描かれ
テーブル上のピーナッツか何かを丁寧に集めて口に入れ、袋を捨て、
会話の中で軽口などでは太刀打ちできない感じを与えるのが勝井さんで
まだ髪が今よりは多めで、渋さはゲスト(参加者)も
楽しませなければと熱く語る芳垣さんがそこにいて
たぶんGの加藤さんだかどなたかは
渋さは最初からほかのバンドでは考えられないほど
上がってるところからはじまって、もっともっとずっと高いところへ
のぼっていくとかいっていて
さらにけっこういろいろ熱く語っていたのはBsの吉田さんかな?
不破さんは、人に思いを伝えられる人だだか
伝えられる思いをもってる人だだか
渋さはみんな何かを伝えたいという人の集まりで
だからダンサーや舞踏の人などもいて
みんなそれがどんどん伝わって広がって辿り着く先が見たいのだ
それは宇宙よりもっと向こうなんだ とかなんとか。



あたしは不破さんは渋さのメンバーを技術とかそんなもんじゃなくって
伝えるエネルギーをもつ人を集めてるとすごく納得した。
表では単なる酔っ払いのように
メンバーのみなさんは飄々としながら押さえどころは押さえる
というような雰囲気を醸し出していますが
実際裏では結構厳しい、当然ですが、プロ意識の高さから
アレが成り立っているのだと思うと、感慨深いものがあります。
まあそれは個人的な感傷でしかなく
演奏のスバラシサを受け取ることとは直接的には無関係です。



いちばん強く印象に残ったのは、今年のピットインでは
「去年の今日はここらへんに馬鹿なトロンボーン奏者が居て」と
酔って哀悼の意を音楽にこめていたようなライヴを観たのですが
その大原さんがお金の話の流れで口を挟んだところ不破さんが
「言ってみろ」と、ひっかかりがあるのはよくないと繰り返し
そのうち「お前は酒をやめろ」「お前に酒は向いてない」
「オレは友だちだから言うんだ」「お前が必要だから言うんだ」と
何度も何度も途中大原さんが酔って倒れても
不破さんが繰り返し繰り返し言う映像があって
そこから離れて歩き出したときに不破さんの肩に
大原さんの手が置かれて
もうあたしはぐっときて泣いてしまった。



あたしが世界でいちばん好きな漫画はたぶん岡崎京子
リバーズ・エッジ』(にばんは漂流教室かな?)ですが
たぶんリバーズ〜のテーマのひとつは「discommunication」だと
思うのですが、あたしの人生のテーマのひとつが
「discommunicationでないこと」なんですね。
だからもう、ものすごく強く強く打たれて
こういった人たちに惹かれてしまいますね。
まあこのテーマのお陰で地団駄踏むことも多いのやもだが。



で、もちろん演奏はすばらしいですよね。ずっと流れてます。
やっぱり最後の本多工務店なんか、涙が出ます。
アッパー気味なものに惹かれがちなのですが
まあ少なくともあたしにとってすべては
カタルシスやカタストロフがとても大切です。
いのちのかがやきとかいうとくさいですが。
これは世界のどこの人にでもそりゃあ届きますよ。
そういった音楽ですから。
本当に渋さを観ると
人はみな横並みんなつながってると思える。



は〜長くなっちゃった。とりあえず見終えてから
オヤビのいるプロントへ行き、
映画と行政について語り合って(?!)帰りました。



あたしは宮沢賢治
「世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」
という言葉を思い出す。
ちなみに今夜のアップリンクXの客は7名でした。おしまい。