日本の名随筆 51
- 作者: 加藤楸邨
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 1987/01
- メディア: 単行本
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「〜途方にくれてあたりを見る時、吹雪の中にぼんやり蕎麦屋の灯が見えた嬉しさ。湯気の立つ饂飩の一杯に、娘は直接元気づき、再び雪の中を歩きつゞけたが、わたくしはその時、ふだん飲まない燗酒を寒さしのぎに、一人で一合あまり飲んでしまつたので、歩くと共におそろしく酔が廻つて来る。さらでも歩きにくい雪の夜道の足元が、いよ々【本当は大きな「く」の繰り返し記号】」危くなり、娘の手を握る手先がいつかその肩に廻される。のぞき込む顔が接近して互の頬がすれ合ふやうになる。〜」やっぱり前後も読んでくれ〜。。